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書も積もりし

小説、哲学、雑感など。誤字・脱字が多いのが哀しい

『アンナ・カレーニナ』ノート(1)

 ロシアの大文豪作家、トルストイの『アンナ・カレーニナ』を読みはじめたのですが、めちゃくちゃ面白いです。トルストイは前に短篇を読んだことがあって、けっこう固い話だったので、そういうイメージで読みはじめてみたら、『アンナ・カレーニナ』は冒頭からずっと面白くて…… 頁を繰る手が止まりません笑 読む中で、ノートをつけたいと思いました。


 たとえば、こういう描写があります。

オブロンスキイとホテルに入っていったとき、レーヴィンは彼の顔や姿全体に、抑えた輝きとでも言うような、一種特別の表情を認めないわけにはいかなかった。  トルストイアンナ・カレーニナ』(「愛蔵版 世界文学全集22」集英社、pp.35)


 本当に何気ないシーンなんですが、「抑えた輝き」という非常に繊細なニュアンスの形容をするっと入れているあたりが思わず付箋を貼ってしまいました。 このシーンの前に、レーヴィンという男は、想い人のキティという若いお嬢さんに再会(彼はプロポーズをしようと決めている)して、気持ちが高揚しています。 そういう中で、改めて親友のオブロンスキイを見て、オブロンスキイは特別なオーラをまとっている男性だとあらためて再認識するシーンです。

次のシーンなんかも。

 秘書が入ってきた。彼はくだけた恭しい態度で、業務の知識においては上司よりも上だという、すべての秘書に共通のある種のひかえめな優越意識を顔にあらわしながら、書類をもってオブロンスキイの前に歩み寄ると、質問の形で、何かの面倒な事件を説明し始めた。
(「アンナ・カレーニナ」承前、pp.23)

 ここなんかもすごいなぁと。「業務の知識においては上司よりも上だというすべての秘書に共通のある種のひかえめな優越意識を顔にあらわしながら」っていうのが、めちゃくちゃ細かい。ここで出てくる秘書なんてもうチョイ役のチョイ役でしかないのに、こんなに丁寧で効果的な形容を記述するトルストイに思わず唸りました。

 こんな感じで、読み進めた中で特にアッと思ったシーンなどを取り上げていければと思います。年末・年始の愉しみが増えました笑