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書も積もりし

小説、哲学、雑感など。誤字・脱字が多いのが哀しい

ヘーゲル

美学講義 (叢書・ウニベルシタス)

この本を購入した。哲学書は高いしまず売れないから大型書店に行かないと買えないが、僕の甲斐性無さを1,2年発揮させた結果、ちゃんとした哲学書を購入したのは一年半年前のドゥルーズ『シネマ1』以来である。その間、デリダの「動物を追う、ゆえに私は動物である」もものすごく欲しかったのに見送ったし、購入を見送っていったい何冊図書館に高い哲学書を購入したことやら(倉敷中央図書館様いつも本当にありがとうございます)

 そして、選んで買った哲学書は、やはりエネルギーが違うのである(個人的に) 買って良かった……。

ヘーゲルは、ドゥルーズをはじめやたらフランス現代思想が目の敵のように批判者として登場させるので、ドゥルーズ哲学に多大なシンパシーを受けてきた僕としてもやはりとっつきが悪い哲学者であった。それでも勉学の為に何かを読もうとしたのだが、重厚・難解・多作の3点揃い。
しかし、ヘーゲルの美学はかなり前から気になっていた。
この『美学講義』は今まで出版されている『美学』とは内容も異にする(それについては冒頭に詳しく説明されているので是非手にとって読んでみてください)、新しい内容みたいだ。しかし、訳者の功績もあってか、読みやすいと思う。決して超難解ということではなさそうだ。講義ゆえの良さかもしれない。

これを読むと、ヘーゲル著作の中でも定評のある『歴史哲学(講義)』が岩波文庫であるので、そのうち読むだろう。おそらくヘーゲルは世界や宇宙を広く見渡す能力というか力が歴代の中で一番優れているのであろう。と何となく直感で思う。

 ヘーゲルの著作の中でもかなり手ごわいイメージとして定着しているのが『精神現象学』だろう。いい訳であるとお墨付きの中古本をもっているが、そうあっても難しい。ハイデガーデリダも頻繁にこの書に言及しているが、これを後回しにしてもよさそうだ。

 ヘーゲルドゥルーズの文章を読んでいると、デリダレヴィナスの良さを思い出す。レヴィナスデリダも特に難解な哲学者として紹介されるが、その文章は確かに文学的に凝ったり、一筋縄で読めるようなものではなく、だからこそ書物として大変美しいのである。レヴィナスの著作なんてものは。

先人の偉大さというものを考えずにはいられない。先人はいつまで経っても超えられないくらいすごい。ヘーゲルくらいまで遡ってしまうともう誰も相手にすらしてくれない。それでもそんな時代の人の書物を新しい翻訳で、新しい装丁で読めるこの悦びが、古典の良さだと思う。