書も積もりし

小説、哲学、雑感など。誤字・脱字が多いのが哀しい

圧倒的に面白いと思った小説20選

29歳の僕は、24歳のときに文学に再びハマりました。のんべんだらりと読んできた24年間と、積読がこんなにたまるなんて!と思った5年間の読書歴の中から20作品選んでみようと思います。

1、フェルディナン・セリーヌ『夜の果てへの旅』

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

セリーヌといえば「……」の文体で僕もスッカリやられちゃっているが、「旅」のはじめのほうはまだあまり「……」が出てこないという事でも貴重。日本のバンドのGRAPEVINEが夜の果てへの旅という歌詞が出てくる歌を歌っています。

2、フェルディナン・セリーヌ『なしくずしの死』

なしくずしの死〈上〉 (河出文庫)

なしくずしの死〈上〉 (河出文庫)

こちらは「旅」より激しく重い。とくに後半(下巻)からが本当の勝負です。フェルディナンの疑似自伝。

3、ヘンリー・ミラー『北回帰線』

北回帰線 (新潮文庫)

北回帰線 (新潮文庫)

ミラー的な世界観がイマイチ合わなくても「北回帰線」だけは残るような、そんな完璧な小説に近い。切なく、狂おしく、どこか笑える。

4、 ヘンリー・ミラー『黒い春』

黒い春 (ヘンリー・ミラー・コレクション)

黒い春 (ヘンリー・ミラー・コレクション)

『北回帰線』がお気に召したら、そこまで長くはないけど『黒い春』も良作です。言葉の弾丸。

5、マリオ・バルガス=リョサ『世界終末戦争』

世界終末戦争

世界終末戦争

これは小説好きな人全員に読んでもらいたい。僕の目指すべき作品、完璧なる物語と濃厚な文体です。大好き。

6、 バルガス=リョサ『水を得た魚』

水を得た魚―マリオ・バルガス・ジョサ自伝

水を得た魚―マリオ・バルガス・ジョサ自伝

惜しいかなこれは新品が出回ってはいないんじゃないか…… 水声社に注文したり、古書で探すしかないかもしれませんがとにかく傑作自伝です(もちろんフィクション的手法アリ)

7、カルロス・フエンテス『テラ・ノストラ』

テラ・ノストラ (フィクションの楽しみ)

テラ・ノストラ (フィクションの楽しみ)

とにかく読んでみろと。大地に生きる我ら、五百年の時を経て、今もまた再生する。

8、アルベール・カミュの全ての作品

『異邦人』『ペスト』『カリギュラ』『シーシュポスの神話』『幸福な死』『最後の人間』……代表作であろうがすべてはずれが無い(!)

9、ジャン・ポール・サルトルの全ての作品(小説)

『自由への道』『嘔吐』『壁他短編集』

10、ゲーテファウスト

ファウスト(一)(新潮文庫)

ファウスト(一)(新潮文庫)

例えばカミュなどは小説よりも戯曲をより芸術的に価値の高い作品形式だと認めていました。それはゲーテのこの作品のすばらしさからくる伝統でもありますね。

11、ダンテ『神曲

神曲 地獄篇 (角川ソフィア文庫)

神曲 地獄篇 (角川ソフィア文庫)

地獄 > 煉獄 <<<<<天国 の相関関係(笑) はじめは煉獄のほうが地獄より重いのかと思っていましたが生前の行いを見たら確かに地獄の方がキツい。

12、トルストイアンナ・カレーニナ

アンナ・カレーニナ〈上〉 (新潮文庫)

アンナ・カレーニナ〈上〉 (新潮文庫)

ロシアの大地にしびれました。アンナ夫人の不倫劇よりも、ロシヤの農地であくせく汗を流したり苦労したりする(主人公の名前忘れる)のが好きな描写でした。圧巻。

13、ソルジェニーツィン煉獄のなかで

煉獄のなかで (1969年) (タイムライフブックス)

煉獄のなかで (1969年) (タイムライフブックス)

収容所での囚人たちの厳しく和やかな暮らし。スターリン。悲しい別れ。激しい時代。忍び寄る不穏。いつまでも読んでいたい。

14、大江健三郎万延元年のフットボール

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

説明省きます(笑)

15、大江健三郎『死者の奢り・飼育』

死者の奢り・飼育 (新潮文庫)

死者の奢り・飼育 (新潮文庫)

大江健三郎はここから入門しました。今でも完膚なきまでに文章の凄みに叩きのめされたその衝撃が脳裏にそっくり残っているみたいです……。

16、川端康成『雪国』

雪国

雪国

静謐なる川端作品の中でも一番好きです。

17、森鴎外舞姫

現代語訳 舞姫 (ちくま文庫)

現代語訳 舞姫 (ちくま文庫)

高校の授業の時に読んで以来わしはこの作品に病みつきなんじゃ~!

18、村上春樹ねじまき鳥クロニクル

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

説明省略します笑

19、村上春樹ノルウェイの森

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

結局この作品がかなり好きだ。語りの手法がどことなくカズオ・イシグロ作品に似ていると思います。

20、江国香織『抱擁、あるいはライスには塩を』

抱擁、あるいはライスには塩を

抱擁、あるいはライスには塩を

江國さんは人気作家だけではなく、あくまで日本の前衛的な作家として今もずっと記録を更新しているような野心的な作家です。

以上、ありがとうございました!