書も積もりし

小説、哲学、雑感など。誤字・脱字が多いのが哀しい

ドラマ「カバチタレ!」の深さ――社会に生きる女性

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 2001年の冬ドラで放送されたドラマ「カバチタレ」を友人の勧めで一緒に観終わったのですが、なかなか面白く、興味深い点も多々あるいい作品でした。常盤貴子深津絵里のコンビが主演で、ふかっちゃんが演じる行政書士屋で27歳の「栄田千春」と、常盤貴子演じる心優しいモテ女「田村希美」(同じく27歳)の掛け合いが面白い、法律コメディドラマです。平均視聴率も19%の人気ドラマですね。ただし最終回だけは頂けなかったけど(苦笑)

 しかし、法律の話題はかなり基礎的な内容で(心裡留保などもあったり)、大学の法学部生なら1年ですでに分かるような優しい内容です。問題はそこじゃない。

 僕は、このドラマの1話目が一番好きです。 ふかっちゃん役の栄田さんは、「強く闘うの!」「だって女性だからって負けてたら悔しいじゃない!いつだって闘うの、あたしは!」という、”強く生きようとする女性・27歳”。その台詞はコメディの中で折り込まれるのには中々斬新です。

 実際、このドラマの脚本はものすごくセンス深く書かれていて、一般的にはエンターテイメントだけど、考えてみるとかなり深い内容まで届くような表現がちらちら出ていました。

 篠原涼子も妙にセクシーでミニスカポリスをやって、ふかっちゃんの車をことあるごとに駐禁にするというイヤな奴(笑) しかし、イヤな奴だけではないんですね。篠原涼子役も、まだ新米に近い警察署のなかで、失敗をした時には上役から厳重に処分される。その中でも、「警察は法律に従って法的な社会を安定させるためにある」というような正義心をもって行動していることを明かします。これもなかなか面白い。

 常盤貴子は、人から愛され、笑顔も多く、山下智久が演じる弟にもとても優しい。そんな弟もとても女性たちに優しい。
常盤貴子役は、頭はそんなに賢くないけど、「人を信じることが大切。信じれば救われる」という信念のような固い希望のようなものを心の内に秘めていて、ふかっちゃん役の「信じても救われない。だから自分で切り拓く」という信念と時に真っ向から反対します。

 モテ女×心の優しいのぞみと、デキル女×サバサバ&早口&思考が論理的なちはるの、絶妙な組み合わせ。こういう設定がこのドラマに躍動感を与えています。

 のぞみはデキル女・千春をすごく尊敬しているけど、千春の男性経験の少なさには、何かアドバイスをしようとしては千春から拒否されます。 そんな千春は、のぞみの考えなしの行動を叱り、でも、彼女が見せる、情熱と感性の一点ばりのどストレートな姿勢が状況を必ず打開していくのを見て、もしかしたら、いやのぞみはすごい人間だ、本当に人を信じたら、救われないのか……? と自分の信念を反省していくようになります。

 大杉漣とか、藤岡弘、とか(笑)、やたら大物もチョイ役で出てくるし、あとは香里奈とか、妻夫木聡くんとか、何気に1話目にほんの少し木村多江さんとかも出てました(笑)   昔のドラマを見ると、今活躍している人がチョイ役でよく出てきますよね、、、こんなとこにいたんだ、というような(笑)


 ドラマに点数をつけるのは初めてですが、「カバチタレ!」は、10点評価だと、総合で7点です。70点。僕の中ではけっこういい。 最終回が面白かったら80点だったのですが、話があまりに唐突に終わっちゃって、続編もないのも(スペシャルはあったみたいですが)なかなか悲しい。 

今度は、常盤貴子木村拓哉の「ビューティフル・ライフ」を借りてみようかな(笑)