書も積もりし

小説、哲学、雑感など。誤字・脱字が多いのが哀しい

プロジェクト「S」の整理(メモ書き)

 仮にある学問的な好奇心・探求心に基づく勉強、読書、ある目的を持った調査をプロジェクトSと仮にしておいて、そのSのためにも幾つか自分が内発的におさえておきたい文脈が整理できたのでここに書きます。

 ★ジュディス・バトラーという現代思想

基本的には『ジェンダー・トラブル』での華々しいデビュー、「性差は社会的に作られる」というパラドックス的テーゼ。
これ自体は、社会=環境が性の錘を引きずった個人に権力的に介入していく、という視点を斬新にも打ち出したのだと個人的には思われる。

『自分自身を説明すること』 この易しめのエッセイの中で、主体が主体として生きるための困難と責務を、とても分かりやすく書いている。
これをもう一度再読することで、「主体化とは何か」を考え続けたバトラーの議論を理解したい。

 加えて、バトラーには難敵・ジジェクがいる。彼らはラクラウと共に3人でよく分からない本も出しているが(『偶発性・ヘゲモニー・連帯』とかいうの)、
とりわけ「主体とは?」という正面からの問いであったジジェクの主著『厄介なる主体1・2』で、直接バトラーの議論を引き出して戦わせていたので、この章も精読する。

バトラー、ジジェクラカン精神分析)という線。