書も積もりし

小説、哲学、雑感など。誤字・脱字が多いのが哀しい

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

インリズム(新)……断詩

* 人間が好きだ。私は人間が好きだ。人間はつまらないし、よく裏切るし、何も分かっていないし、傲慢だし、情緒不安定だし、頭が固いし、何より無理解で、他者存在をあまり尊ばないのに、それでも何故か、私は人間を好きになってしまう。いや、人間が好きだ…

知の細分化

知の細分化。学知が、どんどん細かくなり、専門領域はなし崩し的に増え、隣の研究所が何をやっているのかが分からない状態、それが現代の大学や科学。例えば、私は一つのフィルム映画を見たあと、それにまつわるレビューを読み、そのレビューを書いた著者は…

川端文学における「芸者」の位置づけ

川端康成の小説には、芸者(芸子、舞妓、旅芸人など)がよく出てくる。代表作に限っても「雪国」や「伊豆の踊子」など。殊に壱位二位を争う有名作である「伊豆の踊子」におけるそれは特別だ。そこには川端康成の芸者たちへの深い愛情といったものが感じられ…

過去の駄作の話

そういえば、昔、とてもつまらない小説、名前ははっきりと覚えているが、「ユメナという〈存在〉」という短編小説を書いたことがある。短い話だった。深夜の1日で書き上げて、恥ずかしいことに書き終えると高揚ととても満たされた幸福感に包まれた。だから…

セリーヌ、フランス文学

フェルディナン・セリーヌへの愛が止まらないこの頃である。 去年の冬~春ごろに頑張って?「夜の果てへの旅」を読んで、以来すっかり魅了されてしまっている。それより前に愛好していたヘンリー・ミラーの、長大な文章と自伝的な構成という類似点もあって、…

隣人について――断片の哲学(1)

*隣人について 隣人はすでに、異世界だ。隣人がすでに奥深きワンダーランドなのである。二人といった人間関係(夫婦、兄弟、友人、恋人、医者と患者……)はすでに多様性の世界の可能性を秘めている。ただ、多様性の世界へのベクトルと、それと反対の、一極化…