書も積もりし

小説、哲学、雑感など。誤字・脱字が多いのが哀しい

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

サルトル『方法の問題』を読み終えての雑感

実存主義とは人間学そのものである。 ――『方法の問題』pp.178 サルトル全集〈第25巻〉方法の問題 弁証法的理性批判序説(1962年)作者: サルトル,平井 啓之出版社/メーカー: 人文書院発売日: 1962メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログを見る 今…

美しい不穏 ロベルト・ボラーニョ『チリ夜想曲』

一緒にしなくていい、とピノチェト軍人が言った。一緒に来たまえ。あとについていくと、屋敷の裏の庭園を望むことができる大きな窓があった。満月の光がプールの滑らかな水面できらめいていた。将軍は窓を開けた。我々の背後から他の将軍たちがマルタ・ハー…

世界一の感性作家――『アナイス・ニンの日記』

わたしは嘘で身をくるんでいるが、それらの嘘に魂を射貫かれることはない。わたしの嘘は他者の不安を鎮める「生の嘘」であり、わたしの一部になることはないというように。衣装のようなものだ。(pp.215) わたしが興味をもつのは核ではなく、その核が増殖し…